Ballade Best -25th Anniversary Selection- 初版発売日
2007/3/28
1 難破船　（2007 Ver.）
2 セカンド・ラブ　（*）
3 あの夏の日
4 LIAR　（***）
5 水に挿した花　（*）
6 陽炎　（**)
7 赤い花　（****）
8 SAND BEIGE -砂漠へ-　（*）
9 SOLITUDE　（2007 Ver.）
10 二人静　（***）
11 月華　（**)
12 予感　（***）
13 初めて出逢った日のように　（****）
14 駅　（*）
15 帰省〜NEVER FORGET〜　（2007 Ver.）

* from 「歌姫D.D.」
** from 「UNBALANCE*BALANCE+6」
*** from 「true album akina 95 best」
**** 「single from UTAHIME RECORDS」
ファンが書いたレビュー
No. 0012 ■ レコード・コレクターズ nagai [ 2011年04月15日(金) 23:44 ]
●音楽雑誌　レコード・コレクターズ　（２００７年６月号より）

「デビュー２５周年記念のベスト盤の中では、個人的には
　これが一番。歌・曲・編曲共に　ほぼ完璧な「月華」（９４年）、
　再演された「帰省」はファンの間でも人気曲で、歌うことへの
　強い意志に溢れる。楽曲の音域をそのまま情感の幅として
　聞かせる「赤い花」（０４年）。深い虚無感が切ない「陽炎」（９３年）・・・。
　
　新曲「あの夏の日」も含め芝居がかることのない丁寧な歌なので、逆に
　曲の持つ物語が気持ち良く伝わる。私は演歌にも期待してます。

　初回限定のDVDは８３年のファースト・コンサート（※ツアー）から。
　ぷりぷりしていて、とにかく初々しい。」（後藤幸浩）


●nagaiより。「初回盤の、DVDを見るだけでも、このCDを買う価値はあります。」
No. 0011 ■ ３D体験？！ ちゃきな [ 2008年10月27日(月) 13:42 ]
基本的には、前に書いたレビュー同様、一連の流れが見える完結されたアルバムだと思います。
で、再度じっくり聞いていたときに「おや？」と思う場面がありました。

「二人静」と「月華」がこんなに効果的に入っていることに今まで気づかずにいました。
「SOLITUDE」と「予感」の間に取ってつけたようにねじ込んだ感があったこの２曲ですが、この前聞いていると不思議な体験をしたのです。
耳元で聞いていた明菜さんの声が急に姿形を現して、天に向かって昇っていったのです。
もちろんそんなことがあるわけもなく、あくまでもイメージの世界のことなのですが、
「明菜が動いた！」と感じたのです。
今までは２曲とも、強烈な世界観があるが為に「アク」が強すぎて、どこに入れても収まりが悪いように感じていました。

しかし！この浮世離れ感がこのアルバムの中ではとてもいいスパイスになっていて、「明菜ワールド」を表現するにははずせないんだな、と実感しました。
「二人静」で、おとなしく心凍らせた愛しい人に寄り添うことで愛を全うしようとしたけれど、ザワザワとざわめく夜風に一旦鎮めた心がざわめき立ち、半ば強引に消えそうな炎を再び焚きつけて、煙となって天に昇っていく「月華」へ・・・。
そんなイメージが浮かんできました。

そして「予感」の並々ならぬ決意へと続く、というのはどうでしょう？

この流れに気づいてからは、一人勝手にそのシーンを想像して楽しんでいます。
とても綺麗な、でも悲しい物語を読んでいる気分です。美しい挿絵付きの。
この「明菜ワールド」、誰か、映像にしてくれないかな〜。
No. 0010 ■ これはみんなつながっているのかも？ ちゃきな [ 2007年06月05日(火) 02:36 ]
最初、曲１つ１つを聴いていたのですが、どうしても選曲順や選曲そのものに違和感があって、「なぜここでこの曲？」など気になりだすとこのアルバムには２重の仕掛けがあるのでは？と大胆な発想から無理やりつなげてみたのです。一人の女のストーリーとして、時間軸を追ってたどってみたらなんとなくつながっていくではないですか！
・・ということで、勝手に解釈してみました。途中本当に強引にまとめているところがあるのですが、素人の思い込みということで笑って納めてください。

「難破船」
　　一つの恋が終わった。たかが恋なんて・・と強がりで言ってみた私。でも、心に深く空いた傷跡。
　　今夜はひとりぼっちであの人の面影をたどってみたい・・。
「セカンド・ラブ」
　　そう、この恋は二度目の恋。上手くいかなかった最初の恋より少しは大人になった私。今度こそ、そ　　う思いながらあの人を前にすると何も言えなかったけれど・・。
「あの夏の日」
　　楽しかった夏。思い出がまだ、あの日のままで散りばめられた夜空。季節は変わっていくけれど変わ　　れない思いが手の中にある。
「LIAR」
　　あの人のついた嘘がゆるせない。あの人に嘘をつかせた私がゆるせない。あの人の心変わりを受け入　　れた振りする自分が許せない。精一杯の強がり。愛は悪い夢。
「水に挿した花」
　　もう、愛を求めるのはやめて、かつてただ愛される存在だった子どもの頃に帰れたら・・。ふと、そ　　んな思いがよぎる眠れない夜。今の私は孤独だけど、愛することを知った。もう、無邪気なだけでは　　いられない。眠れないのなら自分で自分を抱きしめて夢を見よう・・。
「陽炎」
　　ひとしきり眠った。あの人のこと、あれだけ愛せたのだから私は幸せ、多分。そう言い聞かせてみ　　　た。部屋にあったふたりの写真。もう終わった恋だけど、誰も知らない恋だけど、私の心の中に深く　　刻んでおこう。　あの輝いた季節を愛したのだから。
「赤い花」
　　ふとした時によみがえる鮮やかな記憶。あの人の残像が私を孤独なこの場所から引きずり出す。私の　　中のほとばしる思いがまた鮮やかな花を咲かそうとする。・・だけど、もう、その恋は終わった。だ　　から、もう思い出させないで。あの日の私を埋めてしまうから。私が求めているのはあの人じゃな　　　い。あの恋のかけら。
「SAND BEIGE」
　　別れを切り出したのは私の方。ふたりでいる孤独より一人きりの旅を選んだ。どこに辿り着くの？自　　分でも分からない行き先。憎み合って別れた訳じゃない。あの人の優しさ、あの人の温もり。まだ、　　手を伸ばせば届きそうな錯覚。このまま二度と笑うことを忘れてしまう予感。誰か私を支えて・・。
「SORITUDE」
　　寂しさで簡単な温もりを手に入れてしまうところだった・。違う、あの時感じた孤独感はもう味わい　　たくない。愛した人を憎みたくない。踏み込めない心の隙間。だからさよなら・・なかったことにし　　て互いの道を行きましょう。そういって別れたふたり。
「二人静」
　　愛しすぎたから・・あの人の全てを手に入れたいほど。あの人を包む大きな愛になりたかった。永遠　　に眠りの中で夢を見せてあげたかった。今でも心に添い寝している私。
「月華」
　　この恋はもうあの人を包む夜空の月明かりほど昇華してしまった。抱きしめてあげる。夢を見せてあ　　げる。何の見返りも求めない。気づかないほどの大きな愛。だけど、何処へ行くのだろう？このまま　　二人でいてもいいの？
「予感」
　　夢の中ならそれでも良いけれど、現実は違う。あの人の心の中を知りたい。私はここにいてもいい　　　の？互いに都合よく愛を貪りあうだけでは明日へ進めない。夢は覚めるもの。朝が来たら消えてい　　　く・・。どんな言葉でもいいから私に投げて。とどまることに疲れたから・・。
「初めて出逢った日のように」
　　あの人からの言葉。初めて出逢った日のようにそばにいて欲しい。甘い言葉を聴くたび心が離れてい　　くのは何故？私が欲しかったのは言葉じゃなかった・・告げられて初めて気づくけれどもう遅いね。
　　一度放たれた言葉はもう元には戻せない。さよなら・・もう戻ることはないわ。あの人はもう一度逢　　える日を夢見ているけれど、一度離れた心はもう二度と戻らないのよ・・。
「駅」
　　あの人にあった。偶然見かけた。もう２年も経っているのね。あの日の別れが蘇るわ。確かにあの時　　あなたは私だけ愛していた。もう、出会ってはいけない人。何もなかったように夕闇にまぎれましょ　　う。
「帰省」
　　眠れない夜、思い出に耽ってみた。私が歩いてきた道。振り返ると長い道のり・・。でも、立ち止ま　　ってはいられない。歩き続けること、それこそが私の選んだ道。私は精一杯生きてきた。自分に恥じ　　ないために、あの日別れを選んだのは自分に嘘をつきたくなかったから。これからも、この先も、愛　　という歌を歌い続けるために。そしていつか出逢う人にこの歌を届けるために。


かなり強引にまとめたのですが、よくよく歌詞を見てみると、いくつかキーワードが見つかります。
「眠り」「夢」「夜」「抱きしめる」「永遠」「三日月」「月」「乾く」など・・
なんか、一つのイメージが浮かびそうに思いませんか？
今回はサクッとまとめてみたのでまた時間があれば深く掘り下げたいな〜と思います。
明菜さんと共に歩いた２５年・・。かなり大人なメッセージが盛り込まれているように感じました。
No. 0009 ■ 全体的に聴いた思いを・・ tiisanawaga [ 2007年04月03日(火) 23:24 ]
　このアルバムに収録されている『帰省』と『SOLITUDE 』はそれぞれのレビュー欄に書かせていただきましたので、他の曲や全体的なことの印象を少し書かせていただきます。

　『難破船』は↓でルルさんが書かれているような思いと私も殆んど一緒です。シングル発売のオリジナルは別れの未練がまだ断ち切れず切々とした思いを込めたような歌唱に聞こえますが、このアルバムでは未練を引きずらずに何とか立ち直ろうとしているような歌唱に思えます。

　『あの夏の日』、夏のイメージより春のイメージのような曲に思いました。それだけにこの時期の発売で違和感なく聴くことが出来ました。明るい歌唱がいいですね、今時の歌手が歌うような曲、と言う批評がありましたが確かに明菜さんには今までのバラードに無かったような曲調だと思いましたが、しかししっかりと自分のものにしている感じを受けました。こう言う歌を歌っても「明菜色」はしっかり出ていると思います。こう言う風にいろんな歌唱を見せてくれるのが私にとって、明菜ファンを続けていても飽きないところです。

　それから『帰省』ですが、冒頭に書きましたように「歌にこだわったレビュー」の方に発売と同時に書き込みしましたが、明菜さんの思いをこれほど感じる歌唱を聴けるとは思っても見ませんでしたので感動しました。
　ただ、あちらに書かなかったことで少し「不満」がありました。最初にこれを書いてしまうと皆さんが初めて聴く時の障害になるかも知れないと思って書きませんでしたが、その「不満」と言うのは「演奏」です。

　演奏にドラムでしょうが、かなり強くリズムを取っている演奏が入っていて、これが気にしだすとかなり耳障りに聴こえて来るのは私だけでしょうか？
　♪ダン･・ﾀﾞﾝ・・・ダン・・ﾀﾞﾝﾀﾞﾝ・・・ダン･・ﾀﾞﾝ・・・、、、、、、♪

こんな調子で、必要以上に大きな音が聞こえてきます。これが明菜さんの歌唱を邪魔するように思えるのです。折角の素晴らしい歌唱に水を差しているように思います。何度も聴いていると多少は慣れてはくるのですが・・・。


　アルバムのトータル的な纏まりはかなりよいと思います。「バラード」と言ってもいろいろな曲調があって飽きさせません。それにあまり若いときの曲が入っていませんので明菜さんの声に統一感があります。以前の曲もこのように並べて聴くとまた新しい感じで聴くことが出来た曲もあります。
　『予感』、Milkyさんも書かれていましたが、私もこの曲かなり「暗い曲」と思って敬遠していましたが意外にもそれほど落ち込まずに聴けました。
　それと『陽炎』なども、ふ〜〜っと力が抜けるように聴いていると何となく暖かいものに包み込まれていくような気がします。

　初回限定盤としてDVD『春の風を感じて･･』が付いてきますが、こちらはデビューから一年ぐらいのまだまだ初々しい明菜さんの映像と歌が見たり聴けたりしますが、このCDとの対比で感慨深いものを感じます。私、もしかするとこの頃の明菜さんを良く知っていたとしたらファンになっていたかどうか・・なんてちょっと考えてしまいました。明菜さんのデビュー当時は、私はもう「アイドル」に熱を上げる歳では無くなっていましたから・・・。
No. 0008 ■ 色 ルル [ 2007年04月01日(日) 17:39 ]
総体的な明菜のバラードの色って紫なんだろうか？とジャケットを見ながら思っています。そういえばSOLITUDEの衣装は紫だったな。とか。綺麗な紫です。なかなか紫が似合う人って少ないと思うんですけど。昔は高貴な人が着る色でしたね。明菜に紫、似合います。

「難破船」
オリジナルよりも海の色が深く濃く、そして主人公は強くなりました。オリジナルでは強がりで別れを選んだものの、後悔して寂しい悲しいと儚げに泣いている彼女。20年経って新たに歌われたこの彼女は、別れを選んだことを後悔していない気がするのです。ひとりぼっちだけど泣いていない。これは自分が選んだ結果なのだと胸を張っているような、潔い強さを感じます。3、4年前に明菜が「やっとこの歌を唄える歳になりました。」と言っていた意味がなんとなくわかった気がします。
始め聞いた時は、言葉がぶつぶつと切れるのが気になっていまいち感があったんですが、聞いているうちに慣れたのか気にならなくなりました。

「あの夏の日」
この声が好きです。とても。淡々と、それでいて奥深く丁寧な歌唱。掠れた声が夏の情緒をさらに懐かしい色にしています。明菜はどんどん変わっていき、そしていつまでも変わらない。明菜はいい歳の取り方をしていますね。

「SOLITUDE」
このアレンジ好きです。しっとりしていて、曇り空の夜って感じ。歌唱も安定していて大人のいい女の雰囲気がよく出ています。

「帰省」
明菜、逃げずに勝負して来ましたね。まぁ勝負しないならなんで歌い直すんだって話ですけど。「赤い花」がソフトに聞こえる程のこの迫力、そして張ったときのぎりぎり感。満足度高いです。明菜の心意気に感動します。98年LIve Ver.には寄り切りで負けてますけど、でもライブで歌われたら、ひょっとしたらひょっとしてうっちゃりで勝つかも。そんな期待を持たせてくれる出来映えです。お願い、いつか生で聴かせて下さい。

全体の流れ、とてもいいと思います。派手すぎでは？と思っていた 「二人静」も意外にいいアクセントになっていて良かったです。ただ「LIAR」は取り直してもらいたかったですね。特に「あの夏の日」の後に聞くとなんともがっかりします。アレンジ云々より歌唱がだめだめです。DD Ver.はどれも丁寧な歌唱と広がりのある世界が好きです。新録の2曲のアレンジがオリジナルに忠実なのは、アレンジではなく明菜の歌唱で世界観の広がりを表現したかったからではないかと思っています。アクトレス歌手「中森明菜」が凝縮されたベストだと思います。