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パチンコメーカーとのタイアップと言う事で、以下のようなやり取りを想像してみる。
営業氏「中森さんと言えば『少女A』ですよね！私、あの歌好きでした〜！」
製作陣「はは・・・ありがとうございます・・・。」
営業氏「ああゆう歌にしてくださいよ！ビシッとノリのいい奴！」
製作陣「はあ・・・がんばります・・・。」
上記はあくまでも想像だが、この歌はオマージュと言ってもいいほど少女Aのシチュエーションを
想起させる。
私の気持ちに気が付いているのか、「キザなBaby Boy」はしきりに「上目づかいで盗んで見て」るけど、ホントは「かっこつけすぎ」で「知ったふうに口だけの男」なのね。「女の子の事知らなすぎるのよ」
「なんにもわかってないわ」。「結婚するとかしないとか」つまらない心配ばかり、
「いいからもっと情熱の風をぶつけて」「じれったい！」のよ！「Feverが足りない！」。
とまあ、気のあるそぶりをするくせに、いざとなったら、てんで意気地のない男を、
上から目線でアジテーションする見事なまでの丸かぶり（笑）。
まるで、あの頃、新宿のディスコでナンパ待ちをしていた少女は、大人になった今、
真夏のリゾートでナンパ待ちをしていました。といった感じだ。
曲自体はPOPSとして非常にいい出来で、２００６年当時のヒット曲と見比べても、そうは見劣りしない。
この路線で何曲か続けて欲しかったとさえ思う。（そうはならないのが彼女らしいところだが）
聞きどころは何といってもサビ後に投げられる「Fever（が足りない）」だ。
この言葉は一般的には映画「サタデーナイトフィーバー」で日本に入ってきて以来、
３０年間「フィーバー」と発音されてきたはずだ。
この、もうパチンコ業界でしか使われないような「ダサい」言葉を、
スポンサーの要請で入れたのかもしれないこの厄介なワードを、
彼女は「フィバー」と事もなげに発音し、まるで新しい言葉のように言いかえてしまった。
こんな奇策を飄々とやってのけるのが、中森明菜のコワいところだ。
この1フレーズを聞いただけで、彼女が曲制作に対しては、今でも遥か前方を見据えていることが
うかがえる。ファンの思い出の中に埋没する気などさらさら無い、
彼女は今でも、いや、いつだって最新の流行歌手なのだ。少なくとも気概は。君は偉大だね・・・。
余談だが、歌詞を詰め込んだ前半といい、開放的な後半といい、ポルノグラフィティあたりに
FNSなどでコラボしてもらえたら、この歌は今でも十分TV映えするのではないだろうか。
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