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「unfixable」のカップリング曲だが、まるで別の世界を届けている。
「雨月」は、彼女の活動休止中の気持ちを綴った作品と言われている。
明菜さんは「雨月」について、「自分ではどうにもならない苛立ち、焦り……でも、それを乗り越えようと本当に少しづつ、少しづつ頑張っていると、小さいかもしれない、少しかもしれないけれども必ず一筋の光が見えてくる……」とコメントしている。
歌詞の
背負っていくと心に決めて
や
泣きながらでも笑い続けて
貴方と約束を抱きしめる
の部分を歌う明菜さんの歌声を聴いていて、活動休止中もずっと送り続けてくれた会報の直筆メッセージのことを思った。
ファンへの気づかいが痛いほど感じられたあのメッセージ…
あのときの明菜さんの気持ちはいかばかりであったのかと…
この曲は歌謡曲なのだろうか…明菜さんの歌声のなんてしっくりと映えていることだろう。
よくわからないが、いずれにしても歌手中森明菜の本線上にある楽曲といえないだろうか。
同じミディアムバラードの「SWEET RAIN」とつい比べてしまうのだが、受ける印象はかなり違う。
うまく言い表せないのだが、「SWEET RAIN」の声の表情にはある種の穏やかさや軽やかさがあった。
だから聴いていると心に癒され感が広がるような感覚があった。
だが「雨月」は違う。
この曲を聴いていると、その歌声からは地に根を張ったような芯の強さと熱い情念が伝わってくる。
作品に真摯さと緊張感を持って向かっている明菜さんの姿が浮かんでくる。
声の厚みや潤いも「SWEET RAIN」のときよりもさらに深化している。確実に。
個人的にこの歌声が聴けた価値はかなり大きい。
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