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1980年代、少年・少女アイドル達は 18歳頃になると「脱・アイドル宣言」なるものをし、徐々に大人の歌手に変貌していったと記憶している。
中森明菜においては「北ウイング」あたりであろうか。
明菜とほぼ同年だった私は、大人の階段を昇り始めた彼女に対し一抹の淋しさを感じていた。
その時の私は、10代後半のクソガキで、明菜が歌う「大人の恋の歌」の意味があまり理解できないでいた。
次に発表された「サザン・ウインド」も、ポニーテールの可愛い明菜ではあったが、歌の内容に私は
もう、アイドルを感じる事はなかった。
アイドル中森明菜は終わった・・・・。
せカンド・ラブで彼女を好きになり、ずっと、ずっと彼女を追い続けようと決意した気持が揺らいだ・・
明菜・・・・・・・・・・。
その年の7月、それは発表された。 「十戒（1984）」である・・・・・・
か、帰ってきた・・・「アイドル中森明菜」が！ あの、「ツッパリ明菜」が帰ってきたああっ！！
漆黒の衣装を身にまとい、胸にはクロスのネックレス。
しかも歌詞は、少女Aや1/2の神話をも上回る 超激辛ソング！！！
シビレタ、シビレまくった！
明菜は、愚図で、甘ったれで、ウジウジして、どうしようもない私達のようなファンの為に、大きな発破をかけに来てくれたのだ！
明菜の声が聞こえた・・いや、感じた。
「何で、ちゃんと付いて来れないのよ。ホント愚図なんだから！」
「いいわ、だったら、最後にもう一度だけ見せてあげる。」
「アイドル、中森明菜を！」
その時、私の迷いは消えていた・・・ありがとう、明菜。
その後、井上陽水 作詞作曲の「飾りじゃないのよ涙は」が発表された。
もう私の心は、揺らいではいなかった。そして、素直に受け入れる事が出来たのだ。
「アーティスト 中森明菜」を。
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