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私は、このアルバムは極めて質の高い作品であると思っている。
音楽でこのような「愛」の表現方法があるのかと、ひたすら感心している。
それを、中森明菜がプロデュースしているというのが、大変興味深いことである。
私は、このアルバムは芸術性の高い作品と思っており、中森明菜は芸術家でもあると感じている。
絵画で言えば、「ピカソ」の作品に通じるものがあるように思う。
既成概念にこだわらず、世間の常識を超えた世界観が明菜さんの中に存在している。
このアルバムは、誰もが口ずさめる名曲とは異なる価値のある名曲たちであると思う。
明菜さんの歌には他にもVAMP的要素のある作品はあると思うが、何かが異なる。
このアルバムは、これら4曲でひとつの作品なのだろう。
そして、ひとつひとつの作品は、詞と曲と明菜さんの声の融合で成立する作品であり、歌手中森明菜でないと完成できない作品である。
プロデューサー中森明菜は、歌手中森明菜の能力を理解して制作していると思う。
このアルバムの歌唱法は、すでに20代の若い頃から確立していたように思う。
「Wonder」の「マリオネット」の歌唱は、VAMPの原点のように聴こえる。
この頃から、芸術的な感性で思い描いていた世界観があったように思う。
それをセルフプロデュースによって作品にしたのが、「VAMP」ではないかと思う。
そして、その世界観を歌で表現できるのは、歌手中森明菜以外見当たらない。
特に、3曲目、4曲目は圧巻である。
イメージは、都心の高層マンションの最上階。
窓から見える夜景は、スカイツリーではなく東京タワー。
場所は、新宿・池袋ではなく六本木。
「CRESCENT FISH」は、フルボディーの赤ワインとブルーチーズ。
「METROPOLITAN BLUE」は、高級シャンパンとドライフルーツ。
これらの曲を聴いていると、こうした情景が目に浮かび、現実逃避して空想の世界に浸ることが出来る。
だから、私にとってVAMPは癒し系のアルバムである。
もしかしたら、明菜さんの色が濃くなればなるほど、世間一般の理解は難しいのかもしれない。
中森明菜の世界観を描こうとすればするほど、売上が上がるポピュラーな音楽とはかけ離れてしまうのかもしれない。
でも、明菜さんの色が濃いほど、芸術性が高い気がしている。
そして、今なら中森明菜の音楽を評価できる人が増えているような気がする。
今後も、このような上質な作品を数年間隔でよいので提供してくれることを望みたい。
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