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発売前このアルバム『フォークソング〜歌姫 抒情歌』の中ではあまり期待していなかったこの曲ですが聴いてみた中ではかなり好感を持ちました。
最初のＡメロから
♪過ぎた日の 微笑みを みんな君にあげる・・・・今は そばに眠る♪
までの部分の歌唱は少し強調し過ぎるきらいはあると思いますが私が気に入ったのはサビの部分と言うべき
♪温かな 昼下がり 通り過ぎる 雨に・・・・さよならを するために♪ の部分です。
この部分の歌唱はこのアルバムの中ではかなり力強く歌い、また前向きな感じの詞を明菜さんも前向きな歌唱をしていると思います。
ほんとはもっと力強い歌い方をして欲しい気もしますがこれ以上声を張り上げて歌うとアルバムの雰囲気を壊してしまうと思いますのでこのくらいがちょうどいいのかとも思います。
だが今後シングル発売のような曲が有るとしたらこのような曲をこのような歌唱でもっと力強く歌う歌唱が良いのではないのかと思いました。
「これからの中森明菜に望むことは」というこちらの「お茶会」にＴさんが書かれていますが、今『千の風になって』『吾亦紅』『愛のままで』など中高年のベテラン歌手が世に受けいられている時代です。これらは叙情的であり、どちらかと言うと前向きで力強い歌唱です。この曲の明菜さんの歌唱はこれらの曲に通じるものがあるように思うのですが・・。
ヒットを望むとしたらこの曲辺りの歌唱と前向きな歌詞がヒントになるような気がします。
さてこの曲ですが今時の曲は４分以上５、６分する曲もざらに有りますがこの曲は３分１５秒ぐらいの短い、何となくあっけなく終わってしまう曲です。しかし詞の内容は何となくかなり含みの有る詞に感じます。リピートする部分も有りますので詞としても短いのですがそれだけに難解な部分があるように思います。石坂浩二さんがどのような気持ちで、どのようなイメージをして書いたのかは知りませんが聞いてみたい気もします。昔の曲ですので分かりませんが石坂さんがこの詞について過去に語ったことがあるのでしょうか？
私の妄想と独断的な解釈をさせていただければ、この詞の中には３人の「私」がいるように思います。
一人はこの歌を歌っている「私」。もう一人はこの私が昨日まで抱いていた「私の心」。あと一人は今日から私と一緒に歩く「私の心」。
過去の悲しみや勿論喜びも有ったものを皆、過去に追いやって新しい旅立ちをするために心をリセットする旅に出たように思います。
妄想は南の島、早春で人影もまばらな海岸沿いのリゾートホテルのテラスのようなところで昼下がりぼんやりと海を眺めながら一人ゆっくりコーヒーでも飲みながら来しこの方を回想し、新しい生き方を模索。
そして去った女性を思い、新しく出合った女性を思い、世の流れにあまり逆らわず、力まずゆっくりと生きていく。
通り雨に過去の「私の心」を流し、風に過去の「私の心」を載せてさよならをする。今日からは新しい「私の心」と歩いていく。新しい「私の心」と眠る。
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