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石狩挽歌って、「挽歌」だっだんですね。何を今更…、と言われそうですが、いままで、この歌を「挽歌」と意識して聴いたことが無かったのです。このアルバムで聴いて、初めて「挽歌」であることをヒシヒシと感じました。
この、曲全体をとおしてリズムを刻んでいるのは鋲留太鼓でしょうか？ 歌舞伎の太鼓でやる雪音や波を思い出します。でも、もっと強烈ですね。雪の中で飛沫をあげる夜の海が見事にこの太鼓で表現されています。
この冷たく、暗いリズムの中で、明菜さんの低く響く歌声を聴くと、年寄りが遠い目で海を視ながら、ぼそぼそと、活気に満ちた昔の光景を話す姿が浮かびます。そんなふうにして私の目に浮かぶ光景は、なぜか「粒子の粗い白黒フィルム」なんですね。
その全体の「モノクローム」のイメージの中で「わたしゃ涙で 娘盛りの 夢を見るぅぅぅ」と揺さぶられると、聴くほうも、もういけません、涙ぐんできます。
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