|
この曲、「Fin」のカップリングで若干アイドルポップスっぽい味付けではあるものの、作詞：許瑛子 作曲：鈴木キサブロー 編曲：椎名和夫 と錚々たる作家陣によって作られているだけあって、なかなかの佳作だと思います。
本当は好きで好きでたまらない恋人のそぶりが、最近微妙によそよそしくなっているように感じている彼女が、彼を夜のドライブに誘ったんでしょうね。
どことなく影がある瞳、そんな彼の横顔をみていると、彼の心の中には別の女性への想いがあるのではとの疑念が渦巻いてくる･･･
彼にそれとなく探りを入れようとするが、話題が核心に触れようとすると黙り込んでしまう彼･･･
心の中では、素直に自分をさらけ出して思い切り彼に甘えたいと思いながら、どうしても強気で突っ張った顔を出してしまう自分･･･
そんな、自分の内面とはうらはらに変な自尊心ばかり表に出している彼女を、彼は見透かしている（嫌気がさしてきている？）･･･
危ないMon Amour･･･
許瑛子さんは短い歌詞のなかで、ドライブのクルマの中の一見恋人然としている二人の微妙な心理状態をうまく描いていると思います。
彼女の強気に突っ張った外面と不安を抱えた内面･･･鈴木キサブローと椎名和夫が甘酸っぱくメランコリックなメロディラインにビートを強調したアレンジで見事に演出しています。
明菜さんのヴォーカルですが、スタジオ録音ではファルセットで歌っているように聴こえます。その甘酸っぱい声の響きが若い女の子が持っている恋愛感情をうまく表現しているように思います。
動画では、今のところ「ヤングスタジオ101」(1987年1月）出演のものしか知らないのですが、そこでの明菜さんは地声？（スタジオ録音より低いキー）で歌っているように聴こえます。
| |
