| 中森明菜という歌い手のファンになったのが２００３年の夏ごろだから、もう丸６年かな。
初めは貪るようにＣＤやＤＶＤ集めたり、各明菜ファンサイトを覗くようになって、
コンサート・ＤＳも行くようになって、こうしてファンサイトにもお邪魔するようになって、
ファンとしても明菜さんの活動にハラハラ・心配・不安に思ったりしたかと思うと、突然の
活動に一気に盛り上がったりといろいろな事がありました。
最近で言えば、２００６年のライブツアーを最後にツアーは封印され、２００７、２００８
とライブの噂は立ったもの、やはり開催されることは無く、どうなっているんだろう？と
胸を掻きみしられるような想いも正直ありました。
ツアーはしないけど、カバーアルバムだけはコンスタントにリリースされ、でもこれといった積極的なプロモーションも無く、ＤＳ以外で披露する事も無く。。。。。
ヤキモキしながらももうこれは明菜さんがそうしたいのなら、見守るしかないと腹をくくり、
それも彼女の選んだ道であり、万が一このままフェイドアウトしていこうとも仕方がないことなのだと自分に言い聞かせていました。
それが２００９年は予想外の展開で６月、７月、８月とアルバム連続リリース。８月にはEmpress２とカバーコンサートも無事成功のうちに終わり、ライブとかぶるように待望のＮＨＫ「ＳＯＮＧＳ」に２夜出演と２年間の沈黙がなんだったのだろう？と思われるような、ファンとしては怒涛の日々でした。もうすぐオリジナルシングルも発売という事で盆と正月がいっぺんに来た以上の嬉しい悲鳴でした。
明菜ファンになってから他の歌手の方たちと活動内容など否がおうにも比べたりすしてしまいます。まあ、私の狭い範囲での比較ではありますが、明菜さんって個性的というか、ファン泣かせな
ところがあります。
あまり自分の音楽活動について語りません（よね？）。ファンクラブに入って会報なども読んだりしますが、「花火に行きたい！！！」だの「プレステがやりたい！！！」だの、なんとも無邪気で
とてもあんな情念の恋の歌を歌う人には思えないような文字が飛び込んできたりと。
いえ、たまには真面目なインタビュー記事もあります。でも何となく文字で読むせいか、どこまで本音なのかと思うことも。
何となく中森明菜という人を掴む事ができませんでした。
こんな私にとってこの「ＳＯＮＧＳ」で映し出された中森明菜の姿を見て、なんだか腫れ物が落ちたような気分になりました。もちろん、いろんなファンの方たちと意見交換をしたりすることに
よって徐々に私自身の中に中森明菜という人を理解できるようになっていたのかもしれませんが。
「ＳＯＮＧＳ」の歌唱は凄く緊張していたようでまあまあな出来だったような気がします。その後で実際に聞いた横浜ライブの歌唱のほうがやはり素晴らしいものでした。録画したものを見直してみてもビジュアル面では突っ込みたくなるような所もありますし。（リハーサル中に髪の毛何度も掻き揚げたでしょう？ボサボサの時もあったし。。。）
でも何といっても私の収穫はレコーディングの様子を垣間見れたことと、インタビューに答える姿でした。今まで見たり、聞いたり、感じていたことが点だったのですがそれらが線で繋がったような気がしました。明菜さんの場合、これまで突っ込んだ質問をされても時におちゃらけで済まされてしまうような時もありましたが、この「ＳＯＮＧＳ」では終始、真摯に答えており聞き応えがありました。正直、中森明菜って一社会人としてはどうなの？財布も持たないし、一人では買い物も行かないようだし、それでいいの？（余計なお世話ですが）って言う思いもあったのですが、この２夜に渡る番組を見て少し安心しました。わたしの目にはそんな下世話な事よりも、ひたすら歌に向き合ってその道を探し求めている一人の歌い手の姿が心に響きました。決して世間知らずな人には見えませんでした。
特に印象に残っているのが、
明菜「デビューから変わってない。頂いたお仕事をただ一生懸命やるだけ」「ファンの人に喜んでもらえる事しか考えていない」と語ったところです。たぶんこういう台詞は今まで読んできている筈なのだけれど、画面で真剣に答えている姿を見るとでは段違いです。この発言は決して嘘ではないんだろうなと確信しました。
数年前まではカバーは（プレッシャーが大きいから）出来ればやりたくない、それよりオリジナルをと言っていましたが、最近はカバー制作も受け入れたのか、カバー・オリジナル関係なく頂いたお仕事を精一杯取り組んでいくだけのような達観した境地に達したのでは？と感じます。
カバーに関してはレコ社からの企画が大きいのでしょうが、オリジナルにいたっても自分がこういう音楽をやりたいからというのではなく、ちょっと湿っぽいアルバムが続いたから今度はちょっと元気の良いアルバムでいこうかとまさにファンの人たちに喜んでもらいたいという一心で制作したに違いないのだろうと思います。
以前はわたしも明菜さんには「○○な音楽が合う」とか「○○のような歌い手になってほしい」などと自分の希望を託したりしてきましたが、このＳＯＮＧＳを見てから、それも違うんじゃないか、今回の洋楽のようなオリジナルアルバムの完成も「ちょっと今度は洋楽風だけどまた違った中森明菜を喜んでもらえたらいいなぁ」くらいの気持ちしかないんじゃないかと。
明菜さんはたまに作詞をしますが、基本的に自作したりしないのでオリジナルを制作するに当って、良い楽曲を見つけなければならないのですが、いろいろ思うようにならない事だらけだと思います。売れている頃ならどんどん名曲は集まってくるのでしょうが。このご時勢、制作予算とかも限られているでしょうし。
決して人脈作りが得意でない中森明菜さん。この魑魅魍魎とした業界で生き残っていくのは大変なことでしょう。これからまだまだ時代に翻弄させられることもきっとあるんでしょう。
小さな個人事務所だし。所属レコ社の要求もいろいろあるでしょう。おそらく意に沿わないことも呑まなきゃならないこともあるでしょう。でも彼女は自分に出来ることを出来る時にやり続ける努力をきっとしてくれると思います。それを信じて応援していこう。
そんな風に感じさせてくれた「ＳＯＮＧＳ」でした。
そしてファンとしてやっぱり願うことは、マイペースでいいから体に気をつけて歌い続けていって欲しい。そしてあなたの歌で救われる人がまだまだたくさんいる事を忘れないで欲しい。いつもたくさんの感動をありがとう。
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