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中森明菜の曲の中でも「ドロドロ」度では１，２位を争う曲だと思う。
アルバム「la alteracion」にある特色の一端を痛みを伴って心に訴えかけてくる。
曲名になっている「したたる情熱」という言葉の使い方がすごい。
抑えきれない感情、かなえられない願いに流される涙は情熱だと言う。
愛にこれほどの執念を燃やす女性心理は、怖いと思う反面、ふと垣間見せるせつない感情の吐露はいじらしさも感じさせる。
♪窓越しの流れ星 何度も願いをかける 叶わない夢なんて ないと思いたい♪
♪暗闇に怯えても 夜が明けるまでのこと･･･♪
まるで少女のように不安におびえながら、少しでも希望を持ちたいと願うこころ･･･
♪簡単な幸せに抱きしめられるより ぽとりぽとりまたしたたる せつない涙を私は選びたい♪
ひとつしかないものへの一途な想いが健気でいじらしい･･･情熱とはいってもそれは熱く燃え盛る炎ではなく、むしろ静かにくすぶり続ける燠火のようなもの･･･それは涙色をした、けっして熱くない火のはずだ。
こんな重い曲を中森明菜は、表現し歌いきってみせる。
このような曲は、万が一にもシングルになるような代物ではない。８０年代ではまずありえない曲である。９０年代の中森明菜だからこそ、それもアルバム曲だから成立した曲であろう。
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